研究会
Study group

司法心理療法研究会|forensic psychotherapy

 風の家の設立以来、私たちはさまざまな職場で働いている司法関係者とともに、力動的な観点に立った心理的関わりについて、研究会を開催してきました。当研究所の開設とともにその機能は研究所に移されました。研究会では、文献の講読と事例や個々の経験とについて、討論・検討を中心に進めています。これまでにイギリスの司法心理療法、ウィニコット、クライン等を中心に文献を読み、日常の業務の中での理解に活かせるよう検討を行なってきました。現在は参加者の研究発表も行ないながら、活動を続けています。
 夏休みと正月、春休みをのぞく、毎月2回、第2土曜日と第4土曜日の夜に開催しています。各年度の案内を掲載しています。関心がありましたらご覧ください。また、参加を希望される方は、問い合せよりお申し込み下さい。対象は、司法領域、またはその関連領域で仕事をしている方です。

2010年度pdfファイルへのリンク2010年度pdfファイルへのリンク2010年度 「司法心理療法―犯罪と非行への心理学的アプローチ」
2011年度pdfファイルへのリンク2011年度pdfファイルへのリンク2011年度 「ウィニコット」
2012年度pdfファイルへのリンク2012年度pdfファイルへのリンク2012年度 「見立て」
2013年度pdfファイルへのリンク2013年度pdfファイルへのリンク2013年度 「精神分析の基礎」
2014年度pdfファイルへのリンク2014年度pdfファイルへのリンク2014年度 「犯罪タイプ+研究発表」

成人愛着面接研究会|adult attachment interview

 力動的観点は、無意識の心の中の子どもの部分がどのように生きているかに注目しています。同じように心の中の子どもの部分が発達の過程でどのように養育者によって慰められ、励まされ、あるいはそうされずに内在化されてきたか、ということに注目するものに、愛着理論があります。特に少年非行の問題については家族の果たす役割の大きさが注目されるときに、愛着(アタッチメント)という視点が重視されます。
 こうした愛着の観点やその枠組みを非行少年の調査時面接においてどのように活かせるかを検討する研究会を、研究所独自の活動とは別に、外部の司法機関の有志と開催しています。特に、成人の心の中の子どもがどのような状態におかれているか、愛着に関する心の状態を捉える成人愛着面接に注目し、その少年への適用を検討しています。
 成人愛着面接(以下AAIと呼びます)は、半構造化面接と呼ばれる種類の面接法で、一定の質問項目を順番に尋ねていき、そこで語られた言葉を後から分析するものです。基本的には調査や研究のために用いられますが、近年ではアセスメントツールの1つとしても使われており、特に親子への介入においては養育者への支援を考える手助けとして使われています。AAIの実施はある程度の練習を積んだ人であれば行なうことができます。しかし、スコアリング(分析)は正式なトレーニングを受けなければ行なうことが出来ません。また、その対象は名前が示す通り大人です。けれども、半構造化面接という設定、語られた言葉の分析の枠組み、発想を日常の業務の中で活かすことができないか、その応用をはかるために研究会を開催しているところです。
 あつかう素材や検討の中身の関係で、原則非公開で行なっていますが、家庭裁判所、少年鑑別所、保護観察所など少年の更生に関わる仕事をされている方で、関心のある方がいらっしゃれば、お問い合わせ下さい。

振り返りの会|review

 入所時面接など、当研究所では主な仕事として、風の家の利用者の支援につなげるための見立ての作業を中心に行なっています。これはその名前の通り、入所時に行なうものです。したがって、その時の見立てが適切であったのか、ある程度の時間が経過した後で振り返ることが出来ます。再犯があった時には、それは予測されるものであったのか、実際予測されたのか、それとも予測されないパターンによるものだったのか、ということを検討することは、次に見立てを行なうときに役立ちます。そのような振り返りのための研究会を、研究所内部の臨床心理士およびボランティアの大学院生と行なっています。
 検討されることは、どのような情報からどのような問題のパターンを読み取ることが出来たのか、あるいはどのようなその人の長所を読み取ることが出来たのかを再検討したり、入所時面接で行われた見立てがどの程度その後の本人の生活の様子を予測できたのか(一致していたのか)、その見立てからどのような手立て・対応を考えることが出来たのか、それはその人に合ったものであったのか、といったことです。また、見立ては他の職員の支援活動の中に織り込まれるものであるため、情報が司法的・福祉的支援を行なう職員とどの程度共有されたのか、されなかったとすればどうしてなのか、見立ては職員の対応にどのように役立てられたのか、といったことも検討課題です。
 少しでも適格な見立てによって、再犯に至るパターンを見つけ出し、その対応を考え、利用者の社会復帰への道のりを支援していきたいと考えています。また、この研究会を通して、ボランティアとして手伝ってくれている大学院生の見立てや支援の力を伸ばし、将来の仕事に役立てて欲しいと願っています。
 振り返りの研究会の対象者は、利用者の個人情報が含まれるため、風の家関係者に限定されています。